ラストカット、
それがラストカットだとも知らぬまま誠人の時間を生き、
『カット!OK!』の声で我に返って振り向いてみると、
そこには全スタッフが集合していた。
『これにてクランクアップです!!』
え?
マジで?
『お疲れ様でした!!』
感謝の気持ちを伝えよう。
皆さんで丁寧に作ってくれた誠人の時間、
オレは本当にその時間の中を生きる事ができた。
いや、
クランクインの前から、
最初のカットのもっと前から、
何年か前にこの田原に移り住んだ時間、
この田原に移り住む前の時間、
そしてラストカットの後、
これから続いていく時間を生きていくだろう。
ありがとうございまし
『た!』のトコではもう号泣していた。
泣く予感なんかこれっぽっちもなかった。
気付いたらもうダーダー涙を流していた。
ドバドバ。
オレってこんなキャラだっけ…?
いや、もうなんでもいい。
ありがとうございました!!
皆さんとハグ。
猪本さんとハグしたとき、
『ファインダーから見てたけど、職人の手になってたね。感動したよ。』
と言って頂いてまた大爆発。
こんなに嬉しい言葉があるだろうか?
『ウワーン!もう一回!』
と言ってまたハグさせていただいた。
赤の他人とは言えないまでも、
自分をベースに肉付けをしているとはいえ、
自分ではない人間の人生を、時間を疑似体験?追体験?する。
この不思議な感覚。
こんな貴重な体験をさせて頂いたことを嬉しく思う。
そんな誠人の人生を演じることができたことを誇りに思う。
だが『NARAtive』はまだ終わらない。