合宿というと語弊があるかな?
撮影のためにお借りした一軒の空き家、
奈良スタッフが大・大掃除して、見事スタッフルームならぬ「スタッフハウス」となったそのお家、
撮影前なのでまだ誰も居ない。
朝から晩までお師匠さん宅で木工修行、
夜はそのスタッフハウスで独り寝。
ん〜
朝もそんなに早くないし、
修行は夕方までだし、
もしかして、夜とか結構ヒマなのかな…?
と思ったら大間違い!
時間が足りないくらいです!!
もう全然足りない。
何年もそこに住み、
何年もそこで木工をしてきた、
そんな人間にならなきゃいけない。
なりたい。
なるために来た。
5日や6日で足りる訳がない。
朝は薪割りから始まる。
薪だって何年も割っているはず。
パカーンと気持ち良く割れるはず。
腰を入れて斧を振り下ろすはず。
斧が重そうには見えないはず。
この日課を大変な作業、労働とは思ってないはず。
薪割りだけでこれですよ。
最初なんて、上手い下手どころか、
ただ割るってコトすらままならない状態。
何時間か続けて、やっとちょいちょい割れるようになり、
だんだん綺麗に割れるようになり、
だんだんコツを掴めてきているような気になり、
でもちょっと気が緩んでまた割れなくなり…
そしてメインの木工、
木、道具、工程、技術…
順正さんの提案で、
桜のバターナイフと、
小さな椅子を作ってみることに。
どうせ作るなら、
ただ習うだけではなく、自分なりのものを作りたい。
順正さんもそのつもりでいるはず。
思いつくいろんなコトを盛り込んで、
それを作るために必要な道具、技術を教えてくれて、
それを見守ってくれる順正さん。
楽しい…
楽しい!!
しかし使ったことのない木工機械や刃物は怖い。
でも楽しい。
時間を忘れて作業に没頭する。
時間が足りない…!
一日の作業が終わると夜はミーティング。
誠人という人間を作ってゆく。
皆で。
なぜ木工をしているのか、
なぜ奈良に移り住んだのか、
なぜ田原なのか…
全く架空の人物像を作るのではなく、
こみずとうたの人生、考えかた、感じかた、
それを骨格として、誠人という肉を盛り付けていくというか…
オレはなぜ木工をするのか、
オレはなぜ奈良に、田原に住んでるのか、
木工が、奈良、田原が好きな理由、
何日かを過ごし、
自分の心の中に生まれて来るもの。
それらを汲み上げて組み上がる人物像。
自分のこととして感じられる、誠人という他人。