International Competition
インターナショナルコンペティション
『フェザー』 FEATHERS

子供の誕生日会で手品が失敗し、一家の主の父親がニワトリに変身してしまう。それまで夫と子供のために平凡な生活を送っていた母親は、夫の代わりに家族を守っていかなくてはいけなくなる。夫を見つけ、子供を養うため、母として彼女は殻を破っていくしかない。

カンヌ映画祭 – 監督週間

ジャパンプレミア
  • 監督:オマール・エル・ゾーヘアリ
  • エジプト、フランス、オランダ、ギリシャ
  • 2021
  • 112分
  • カラー
  • -
  • アラビア語
  • 日英字幕

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上映時間・会場

9月20日(火)10:00~
バスターミナル

9月22日(木)15:30~
ならまちセンター

※ 空席有りの場合、現地でのチケット購入も可能です

ゲストトーク

9月22日(木)15:30~
上映後~

予告編
監督
エジプト芸術学院映画学科で映画演出を学んだ後、『Breathe Out』と『The Aftermath of the Inauguration of the Public Toilet at Kilometer 375』という短編映画を監督し、2014年にカンヌ映画祭のシネフォンダシオンにエジプト作品として初めて出品しました。 『フェザー』は、6年前に抱いたとてもシンプルなアイデアから始まりました。ニワトリに変身する男の話ですが、それには重大な証拠があり、冗談でも陰謀でもないのです。このたとえ話を通して、エジプトの一般家庭が送る困難な生活の一端を捉えたいと思ったのです。この不条理な状況に直面したとき、この家族のメンバーは何も考えずに反応してしまう。でも、実は行き詰っている。まさにアンチヒーローなので、誰も彼らや彼らの問題に関心を示さないのです。私はこの状況をとても身近に感じていたので、この映画を作るというアイデアが浮かんだ瞬間から、完全に取り憑かれてしまったのです。 私は多くのものからインスピレーションを受け、エジプト文化、特に映画や音楽の遺産と深いつながりがあります。ユーセフ・シャヒーン、モハメッド・カーン、ハイリー・べシャラ、ユスリ・ナスララ、ウサマ・ファウジなどの映画監督や、ロベール・ブレッソン、アキ・カウリスマキ、ジャック・タチなどからインスピレーションを受けて、この映画を作りました。この映画は詩のようなもので、それを通して観客に私たちの人生の本質を感じてもらおうとしたのです。この映画を監督するにあたり、登場人物と私たちの間に橋をかけ、彼らが感じていることを私たちも感じられるようにしようとしました。登場人物にレッテルを貼ったり、批判したりすることなく、彼らの恐怖にできる限り誠実に向き合いたいと思いました。
オマール・エル・ゾーヘアリ

カイロの高等映画学校で演出を学び、ユスリ・ナスララなどエジプトを代表する映画監督の長編映画で助監督を務める。初の短編映画『Breathe Out (Zafir)』は第8回ドバイ国際映画祭でプレミア上映され、短編映画部門のMuhr特別審査員賞を受賞している。2作目の短編映画「The Aftermath of the Inauguration of the Public Toilet at Kilometre 375」は、エジプト映画として初めて2014年カンヌ映画祭のシネフォンダシヨン部門に選出され、その後、世界各国で数々の賞を獲得した。初の長編映画『フェザー』は、2021年のカンヌ国際映画祭批評家週間のコンペティションで初公開された。

なら国際映画祭サポーターによるおすすめのポイント

一家の主がニワトリに変身することから物語がはじまる。この奇抜なスタートのインパクトにまず驚く。トーンは物静かに見えて、終始みせられるブラックユーモアの対比が絶妙なスパイスをこの作品に与えている。観た後もじわじわと湧き出る後味がある、新進気鋭という言葉がぴったりの作品。

審査員

審査員長│映画監督

ブリランテ・メンドーサ

フィリピン人映画監督、プロデューサー。生きる人間国宝と称されている。彼の作品は、世界三大映画祭であるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭で高く評価され賞を受賞。広告業界を経て、プロダクションデザイナーに転身。これまで日本、エジプト、フランス、マレーシア、シンガポール、ベルギーなどで開催された映画祭において、審査員、審査委員長を務めた。

 

映画監督

安藤桃子

1982 年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010 年『カケラ』で監督・脚本デビュー。2011 年初の長編小説『0.5 ミリ』を出版、2014 年監督・脚本し映画化。その後、監督・脚本した映画「ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project『アエイオウ』」は 2018 年に公開。

 

京都精華大学 前学長│全学研究機構長│人間環境デザインプログラム教授

ウスビ・サコ

マリ共和国生まれ。 国費留学生として北京語言大学、南京東南大学で学ぶ。1990年、東京で短期ホームステイを経験しマリに共通するような下町の文化に驚く。91年来日、99年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月同大学学長に就任(〜3月2022年)を経て現職。暮らしの身近な視点から、多様な価値観を認めあう社会のありかたを提唱している。

 

 

プログラミングアドバイザー

アジア作品担当│HAF インダストリー・サービス ディレクター

ジェイコブ・ウォン

20年以上にわたり、香港国際映画祭に貢献を続けるジェイコブ・ウォン。香港アジア・フィルム・ファイナンシングフォーラム(HAF)においては、キュレータとディレクターの2つの役目を担い監修を務める。現在、フィルム・インダストリー・オフィスのディレクターとしてHAF、HAF goes Cannes、Film Lab、共同映画製作、海外セールスを監修。また、ベルリン国際映画祭の中華圏言語作品の担当を務める。

 

ロカルノ国際映画祭・選考委員, 映画評論家

ダニエラ・ペルシコ

ミラノをベースにするプログラマー、映画評論家。ロカルノ国際映画祭選考メンバーも務める傍ら、ロカルノ国際映画祭、スピンオフコーナーのL’immagine e la parolaのキュレーターでもある。オンライン映画情報サイトFilmideeを創設者であり、若手監督の映画製作の立ち上げにも尽力。2022年からは、ベッラーリア映画祭(イタリア)のアーティスティック・ディレクターを務める。

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