カイロの高等映画学校で演出を学び、ユスリ・ナスララなどエジプトを代表する映画監督の長編映画で助監督を務める。初の短編映画『Breathe Out (Zafir)』は第8回ドバイ国際映画祭でプレミア上映され、短編映画部門のMuhr特別審査員賞を受賞している。2作目の短編映画「The Aftermath of the Inauguration of the Public Toilet at Kilometre 375」は、エジプト映画として初めて2014年カンヌ映画祭のシネフォンダシヨン部門に選出され、その後、世界各国で数々の賞を獲得した。初の長編映画『フェザー』は、2021年のカンヌ国際映画祭批評家週間のコンペティションで初公開された。
一家の主がニワトリに変身することから物語がはじまる。この奇抜なスタートのインパクトにまず驚く。トーンは物静かに見えて、終始みせられるブラックユーモアの対比が絶妙なスパイスをこの作品に与えている。観た後もじわじわと湧き出る後味がある、新進気鋭という言葉がぴったりの作品。
審査員
審査員長│映画監督
フィリピン人映画監督、プロデューサー。生きる人間国宝と称されている。彼の作品は、世界三大映画祭であるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭で高く評価され賞を受賞。広告業界を経て、プロダクションデザイナーに転身。これまで日本、エジプト、フランス、マレーシア、シンガポール、ベルギーなどで開催された映画祭において、審査員、審査委員長を務めた。
映画監督
1982 年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010 年『カケラ』で監督・脚本デビュー。2011 年初の長編小説『0.5 ミリ』を出版、2014 年監督・脚本し映画化。その後、監督・脚本した映画「ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project『アエイオウ』」は 2018 年に公開。
京都精華大学 前学長│全学研究機構長│人間環境デザインプログラム教授
マリ共和国生まれ。 国費留学生として北京語言大学、南京東南大学で学ぶ。1990年、東京で短期ホームステイを経験しマリに共通するような下町の文化に驚く。91年来日、99年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月同大学学長に就任(〜3月2022年)を経て現職。暮らしの身近な視点から、多様な価値観を認めあう社会のありかたを提唱している。
プログラミングアドバイザー
アジア作品担当│HAF インダストリー・サービス ディレクター
20年以上にわたり、香港国際映画祭に貢献を続けるジェイコブ・ウォン。香港アジア・フィルム・ファイナンシングフォーラム(HAF)においては、キュレータとディレクターの2つの役目を担い監修を務める。現在、フィルム・インダストリー・オフィスのディレクターとしてHAF、HAF goes Cannes、Film Lab、共同映画製作、海外セールスを監修。また、ベルリン国際映画祭の中華圏言語作品の担当を務める。
ロカルノ国際映画祭・選考委員, 映画評論家
ミラノをベースにするプログラマー、映画評論家。ロカルノ国際映画祭選考メンバーも務める傍ら、ロカルノ国際映画祭、スピンオフコーナーのL’immagine e la parolaのキュレーターでもある。オンライン映画情報サイトFilmideeを創設者であり、若手監督の映画製作の立ち上げにも尽力。2022年からは、ベッラーリア映画祭(イタリア)のアーティスティック・ディレクターを務める。