International Competition
インターナショナルコンペティション
『プレイグラウンド』 PLAYGROUND

同じ学校に通う7歳のノラと兄のアベル。ノラはアベルが他の子どもたちからいじめられているのを目撃する。ノラは、すぐに父親に警告しアベルを守ろうとするが、アベルはノラの助けを受け入れない。忠実心の葛藤にぶつかったノラは、子供と大人の世界の間で自分の居場所を見つけようとするのだった。

– カンヌ映画祭 – ある視点部門

ジャパンプレミア
  • 監督:ローラ・ワンデル
  • ベルギー
  • 2021
  • 72分
  • カラー
  • -
  • フランス語
  • 日英字幕

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上映時間・会場

9月21日(水)13:00~
ならまちセンター

9月24日(土)10:00~
ならまちセンター

※ 空席有りの場合、現地でのチケット購入も可能です

ゲストトーク

9月24日(土)10:00〜
上映後~

予告編
監督
『Playground』では、観客を学生時代に送り戻したいと思いました。誰かと対立することを初めて経験した時代、そして誰もが根底にに持つ排除されたくない、ここにいることを認められたいと願う心を思い出して欲しいと思いました。 子供時代は、自分の内面を育て、形作っていく時代です。学校は、私たちが初めて足を踏み入れる小さな社会であり、この経験は私たちの内面に大きな影響を与えます。そして大人としての世界観を築くことになります。 Playground・遊び場の経験は、世界中のどんな社会でも起こり得るさまざまなことを反映しています。 ノラの眼差しを通すことで、学び、成長する、繊細で傷つきやすい時代を探りたいと思いました。 この物語でいじめは、私たち全員が持つ普遍的な恐怖の根源を探る出発点です。誰もが有するこの恐怖は、作品を作るために仕掛けたあらゆる要素に結びついています。 この仕掛けを用いることで、私たちの恐怖がどう人の認識に影響を及ぼし、私たちの信念が現実をも変化させてしまうさまを描きたいと思いました。道徳観を建前にした暴力を目の当たりにしたノラは、自分の限界に直面します。この困難との対面は、感じる恐怖がどれほど強くとも、暴力に屈しない抵抗する心を芽生えさせるために避けては通れない道でした。ノラは、優しさに触れることで彼女自身の恐怖から解き放たれ、暴力を終わらせることができます。彼女の経験を通して、ノラが恐怖に負けず物語の流れを変えていく様子を感じていただけると嬉しいです。ノラが投じた変化のように、一度変化が生じると他の人との新しい関わりも生まれます。 恐怖に負けず、投じた変化によってもたらされる新しい関係に私は深く心動かされました。 かつてないほど、恐怖が恐ろしい武器として迫り、人と人との隔たりを広げ、人々が孤立へと追い込まれる時代に、誰もが共感できるテーマを持つこの物語が、一人一人の心に響いてくれると信じています。
ローラ・ワンデル

ローラ・ワンデルは1984年、ベルギーに生まれ、IAD学校にて映画制作を学ぶ。在学中に制作した「Murs」が世界各地の映画祭に出品される。初の短編映画「O négatif」を経て、2014年に「Les corps étrangers」を監督し、カンヌ映画祭コンペティション部門に選出される。「プレイグラウンド」が初の長編映画となる。

なら国際映画祭サポーターによるおすすめのポイント

7歳の主人公の視点の高さ、視野そのもので映すこの作品は、小学校の頃を再体感するように、いつのまにか自分も主人公のノラになっている。そしてあっという間にラストを迎え、ハッとする感覚。何といっても主人公ノラの演技には圧巻。それを演出する監督の才能は素晴らしい。

審査員

審査員長│映画監督

ブリランテ・メンドーサ

フィリピン人映画監督、プロデューサー。生きる人間国宝と称されている。彼の作品は、世界三大映画祭であるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭で高く評価され賞を受賞。広告業界を経て、プロダクションデザイナーに転身。これまで日本、エジプト、フランス、マレーシア、シンガポール、ベルギーなどで開催された映画祭において、審査員、審査委員長を務めた。

 

映画監督

安藤桃子

1982 年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010 年『カケラ』で監督・脚本デビュー。2011 年初の長編小説『0.5 ミリ』を出版、2014 年監督・脚本し映画化。その後、監督・脚本した映画「ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project『アエイオウ』」は 2018 年に公開。

 

京都精華大学 前学長│全学研究機構長│人間環境デザインプログラム教授

ウスビ・サコ

マリ共和国生まれ。 国費留学生として北京語言大学、南京東南大学で学ぶ。1990年、東京で短期ホームステイを経験しマリに共通するような下町の文化に驚く。91年来日、99年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月同大学学長に就任(〜3月2022年)を経て現職。暮らしの身近な視点から、多様な価値観を認めあう社会のありかたを提唱している。

 

 

プログラミングアドバイザー

アジア作品担当│HAF インダストリー・サービス ディレクター

ジェイコブ・ウォン

20年以上にわたり、香港国際映画祭に貢献を続けるジェイコブ・ウォン。香港アジア・フィルム・ファイナンシングフォーラム(HAF)においては、キュレータとディレクターの2つの役目を担い監修を務める。現在、フィルム・インダストリー・オフィスのディレクターとしてHAF、HAF goes Cannes、Film Lab、共同映画製作、海外セールスを監修。また、ベルリン国際映画祭の中華圏言語作品の担当を務める。

 

ロカルノ国際映画祭・選考委員, 映画評論家

ダニエラ・ペルシコ

ミラノをベースにするプログラマー、映画評論家。ロカルノ国際映画祭選考メンバーも務める傍ら、ロカルノ国際映画祭、スピンオフコーナーのL’immagine e la parolaのキュレーターでもある。オンライン映画情報サイトFilmideeを創設者であり、若手監督の映画製作の立ち上げにも尽力。2022年からは、ベッラーリア映画祭(イタリア)のアーティスティック・ディレクターを務める。

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