International Competition
インターナショナルコンペティション
『サオリ』 ZAHORÍ

パタゴニアの大草原は灰色の風が吹いている…。13歳のモラは「ガウチョ(牛や羊を放牧させるカウボーイ)」になることを望んでいる。学校に不満を抱えるモラは、両親にそのことを訴えるが、自給自足の理想の生活に現実が追い付かないストレスでいっぱいの彼らには届かない。モラは、馬のサオリを失ったマプチェ族の老人ナサレノを助けるために、草原の奥深くへと分け入っていく。

– ロカルノ国際映画祭出品作品

ジャパンプレミア
  • 監督:マリ・アレッサンドリーニ
  • スイス、アルゼンチン、チリ、フランス
  • 2021
  • 105分
  • カラー
  • -
  • スペイン語、英語、イタリア語、マプチェ語
  • 日英字幕

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上映時間・会場

9月21日(水)10:00~
ならまちセンター

9月23日(金祝)13:00~
ならまちセンター

※ 空席有りの場合、現地でのチケット購入も可能です

ゲストトーク

9月23日(金祝)13:00〜
上映後~

予告編
監督
この作品は、主人公モラの幼年期から成人期へ、ナサレノの生から死へ、それぞれの通過点を語っています。この作品は、モラを取り巻く環境と対峙するなかで、彼女自身が試練、欲望、思考、女性らしさに直面する旅の始まり描いています。モラは家族や学校の期待に反するような選択をすることになります。モラとナサレノの友情は、異国から来た少女とマプチェ族の老人の視点を通した、移民と先住民、異なる世代間、さらには男女間の出会いの歴史を浮き彫りにしています。
マリ・アレッサンドリーニ

南米のパタゴニアで育つ。映画製作の前は写真家としてや現代サーカスで活動し、アメリカを旅していた。ヨーロッパで映画を学び、ドキュメンタリーや短編劇映画を制作し、それらは国際映画祭やアートセンターで上映される。『サオリ』はカンヌ国際映画祭のシネフォンダシヨンに参加し、ロカルノ国際映画祭のパルド賞、インド国際映画祭の最優秀作品賞を受賞している。

なら国際映画祭サポーターによるおすすめのポイント

パタゴニアの風土と慣習そして家族が興味深く描かれ、厳しいともいえる環境が、優しい映像を通して語りかけてくる。主人公の成長過程にある戸惑いや疑問がよく表現され、シンプルななかに、どこか冒険物語を見たような、たくましい気持ちと、清々しく心が澄まされる爽快感がある。

審査員

審査員長│映画監督

ブリランテ・メンドーサ

フィリピン人映画監督、プロデューサー。生きる人間国宝と称されている。彼の作品は、世界三大映画祭であるカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭で高く評価され賞を受賞。広告業界を経て、プロダクションデザイナーに転身。これまで日本、エジプト、フランス、マレーシア、シンガポール、ベルギーなどで開催された映画祭において、審査員、審査委員長を務めた。

 

映画監督

安藤桃子

1982 年、東京生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て2010 年『カケラ』で監督・脚本デビュー。2011 年初の長編小説『0.5 ミリ』を出版、2014 年監督・脚本し映画化。その後、監督・脚本した映画「ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS project『アエイオウ』」は 2018 年に公開。

 

京都精華大学 前学長│全学研究機構長│人間環境デザインプログラム教授

ウスビ・サコ

マリ共和国生まれ。 国費留学生として北京語言大学、南京東南大学で学ぶ。1990年、東京で短期ホームステイを経験しマリに共通するような下町の文化に驚く。91年来日、99年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月同大学学長に就任(〜3月2022年)を経て現職。暮らしの身近な視点から、多様な価値観を認めあう社会のありかたを提唱している。

 

 

プログラミングアドバイザー

アジア作品担当│HAF インダストリー・サービス ディレクター

ジェイコブ・ウォン

20年以上にわたり、香港国際映画祭に貢献を続けるジェイコブ・ウォン。香港アジア・フィルム・ファイナンシングフォーラム(HAF)においては、キュレータとディレクターの2つの役目を担い監修を務める。現在、フィルム・インダストリー・オフィスのディレクターとしてHAF、HAF goes Cannes、Film Lab、共同映画製作、海外セールスを監修。また、ベルリン国際映画祭の中華圏言語作品の担当を務める。

 

ロカルノ国際映画祭・選考委員, 映画評論家

ダニエラ・ペルシコ

ミラノをベースにするプログラマー、映画評論家。ロカルノ国際映画祭選考メンバーも務める傍ら、ロカルノ国際映画祭、スピンオフコーナーのL’immagine e la parolaのキュレーターでもある。オンライン映画情報サイトFilmideeを創設者であり、若手監督の映画製作の立ち上げにも尽力。2022年からは、ベッラーリア映画祭(イタリア)のアーティスティック・ディレクターを務める。

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