Catalan Focus

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イノセンス The Innocence

夏、スペイン地中海の小さな村。友達との遊びやお祭り、たくさんの夢。主人公のリスは両親と村人の目を避け、密かに男友達のネストルと付き合っている。子どもから大人になろうとする少女の、ひと夏のドラマ。

ジャパンプレミア

上映日時・会場

9月19日(土)(土)19:30~
ならまちセンター
市民ホール

上映後ゲストトーク

なし

オンライン上映

監督:ルシア・アラマニュ

  • スペイン
  • 2019年
  • 92分
  • カラー
  • カタロニア語、スペイン語
  • 日英字幕

Lucia Alemany

スペインの小さなまち・トライゲラで育つ。初の長編となるこの作品はECAM(マドリッド映画学校)の支援を受けて制作。第67回「サンセバスチャン国際映画祭」新人監督部門上映、「アルバセテ映画祭」インディー賞受賞。

Director’s Statement

リスの「サーカスに入りたい」という夢は、自らを時代遅れの世界に閉じ込めようとする村と家族のもとから脱出したいという気持ちの表れ。リスにとって、その環境はあまりにも狭苦しく、人との関係から成長することも、精神的に成熟することも、将来の方向性も見いだせません。私にとって重要だったのは、リスの周囲の環境や雰囲気を、明確な特色をもって描き出すこと。つまり、私自身が、なりたくない自分になってしまうことを恐れて逃げ出した、その場所のイメージに重なるものでなければならなかったのです。だからこそ、『イノセンス』の物語は私の故郷で展開します。

リスはそこで、抑圧的な社会の雰囲気や、明らかになってくる支配的な考え方と対決します。この、世界から隔絶した小さな村では、少女は水を失った魚であり、和音から外れた音符です。それでも彼女は、挑戦し、恐怖から逃げることなく、時代遅れの世界から脱出して未来へと前進する強さを持っています。

出口を求め、脱出する方法を探す彼女にとって「救世主」となったのが男友達のネストルでした。彼も結局は彼女を裏切りますが、結果的に、それは家族の押し付けるルールを破るきっかけになりました。そこから、リスの両親に対する姿勢に変化が生まれ、最後には彼女は両親を振り払って、目的を達成します。『イノセンス』は、一人の少女の物語であると同時に、ある場所と環境の物語でもあります。私自身にとっての、バレンシアのトライゲラという村の肖像です。

Director

Trailer