なら国際映画祭

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御所市を舞台にした新作映画『再会の奈良』キャスト発表


河瀨直美×新進気鋭中国人ポンフェイ監督
御所市を舞台に新作映画『再会の奈良』を製作
メインキャストは國村隼に決定

今後の活躍が期待される若手の映画監督がメガホンを取り、
奈良を舞台にした映画を撮影、それを世界へ発信するという、
なら国際映画祭プロジェクト「NARAtive(ナラティブ)」の2019年作品が
11月3日(日)に奈良県御所市でクラインクイン。
紅葉がすすむ御所の地で中国と日本を繋ぐ映像製作が始まりました。

ポンフェイ監督の熱い想いにこたえ主演俳優は、國村隼に決定
人探しを手伝う日本人男性役を演じる。
日本へ帰国させた中国残留孤児の娘を探す老女を中国を代表する女優ウー・ヤンシュー
孫娘のような女性を中国で注目の若手女優イン・ズーが演じる。
映画の鍵を握る男性として永瀬正敏も友情出演劇団EXILEから秋山真太郎をはじめ、
御所からもオーディションを経て地元住民がキャストとして出演。

 

<あらすじ>

中国人の老女が日本に住む孫娘のような存在のシャオザーを訪れ来日するところから物語は始まる。
老女には日本に帰した中国残留孤児の養女、麗華がいるが、ここ数年連絡が途絶えている。
心配で堪らず老女は麗華を探しに来日したもののシャオザーと二人でなかなか上手く手掛かりも掴め無かった。
そこへ、ひょんなことから元警察官の男一雄が現れる。この一雄との出会いによって麗華探しの旅は思わぬ
展開を始める。麗華探しに手をかす一雄はシャオザーに自身の娘の面影を重ね、麗華を想う老女、その老女を
想うシャオザー、この3人の不器用な旅は思わぬ終着点へと誘われていく。

<ストーリー背景>

第二次世界大戦前後に日本政府が推進した日本人移住計画のため、多くの日本人が「開拓団」として
満州に移住しました。敗戦後、日本軍に守られることなく彼ら「開拓団」とその家族は自力で日本への引き揚げ
を余儀なくされました。大人でも過酷であった道中、泣く泣く現地に我が子を託した親たちがいます。
その結果約3000人が中国残留孤児として中国人家庭に引き取られ、1972年の日中国交正常化を機に、
彼ら中国残留孤児の日本帰国が始まりました。
現在生存される中国残留孤児の方々は高齢化が進み、また生存される彼らの養父母の数は極めて少なく
なっています。かつて戦争で戦った二国には、想いを共有した歴史があります。
この作品は、新しい時代に向けて、戦争を経験した最後の世代が健在の今、過酷な時代に
日本と中国の二国間に生まれた真の家族愛を描きます。

<NARAtive(ナラティブ)について>

今と未来、奈良と世界を繋ぐ映画製作プロジェクトとして2009年からスタートしました。
2年に一度開催する「なら国際映画祭」と連動し、映画祭に参加した監督の中からNARAtive監督を選出し
奈良を舞台に映画を製作します。若く才能溢れる監督の目を通し、舞台となる奈良県下の
地域の魅力を映画に刻み世界に発信します。

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プロフィール

ポンフェイ Pengfei
パリの映画学校、Institut International de l’Image et du Sonの
映画コース卒業。
2006年に中国へ戻り、カンヌ、ベルリン、ベネチア国際映画祭ほか
にて多数受賞歴をもつツァイ・ミンリャン(台湾)の作品に
助監督、共同脚本家として参加。
彼の長編デビュー作『UNDERGROUND FRAGRANCE』は
2015年ヴェニス・デイズ部門にて受賞。シカゴ国際映画祭では
新人監督コンペティション・ベストフィルムに選ばれる。
また、同作は2016年1月にはフランスで公開。
長編2作品目『TASTE OF RICE FLOWER』は2017年ベネチア国際映画祭にてノミネート。
平遥国際映画祭では中国新人監督部門でベストフィルムに選ばれる。
同作は、2018年のなら国際映画祭にて観客賞を受賞し、NARAtive2020映画製作プロジェクトの監督に選ばれる。

國村隼 Jun Kunimura
1955 年11 月16 日生まれ。大阪府出身。97 年に『萌の朱雀』(河瀬直美監督)で映画初主演。以降、国内外を問
わず圧倒的な存在感と確かな演技力で数多くの作品で 活躍。17 年に日本で公開されたナ・ホンジン監督
作品『哭声/コクソン』では韓国の第37 回青龍映画賞において男優助演賞と人気スター賞の2 冠を獲得、外国人
俳優初の受賞となり注目を集めた。近年の主な映画出演作品に、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明総監督)、『海
賊とよばれた男』(16/山崎貴監督)、『KOKORO』(17/ヴァンニャ・ダルカンタラ監督)、『忍びの国』(17/
中村義洋監督)、『マンハント』(18/ジョン・ウ-監督)、『パンク侍、斬られて候』(18/石井岳龍監督)、『かぞ
くいろ』(18/吉田康弘監督)、『アルキメデスの大戦』(19/山崎貴監督)などがある。20 年は『影裏』(大友啓
史監督)、『ステップ』(飯塚健監督)、などの公開が控えている。

永瀬正敏 Masatoshi Nagase
1966年7月15日生まれ、宮崎県出身。相米慎二監督『ションベン・ライダー』(83)でデ
ビュー。ジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』(89)、山田洋次監督『息
子』(91/日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞他)など国内外の100本以上の作品に出
演し、数々の賞を受賞。台湾映画『KANO~1931海の向こうの甲子園~』では、金馬映画
祭で中華圏以外の俳優で主演男優賞に初めてノミネートされた。河瀨直美監督『あん
』(15)、ジム・ジャームッシュ監督『パターソン』(16)、河瀨直美監督『光』(17)
ではカンヌ国際映画祭に3年連続で公式選出された初の日本人俳優となった。近年の主な
出演作に『64-ロクヨン-前編/後編』(16/瀬々敬久監督)、『Vision』(18/河瀨直美監
督)、『パンク侍、斬られて候』(18/石井岳龍監督)、『赤い雪Red Snow』(19/甲斐
さやか監督)、『ある船頭の話』(19/オダギリジョー監督)。待機作として『カツベン
!』(19/周防正行監督)『ファンシー』(20/廣田正興監督)などがある。また、写真家
としても多数の個展を開き、20年以上のキャリアがある。2018年芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

ウー・ヤンシュー Wu Yanshu
1938年生まれ。2003年までは中国シャンシーシェン演劇研究所に俳優として所属。
人民大会同にて中国語の西洋風オペラLiu Hula公演のため周恩来首相より招かれる。
その後北京に移住し映画俳優としてのキャリアスタートさせる。
2年連続で『Book of Love(日本未公開』『Love Education(妻の愛、娘の時)』にて
Beijing Meets Seattle II、第53回、54回ゴールデンホース賞の最優秀助演女優賞にノミネートされた。
2017中国の映画業界人によって選ばれる中国版アカデミー賞と呼ばれる金鶏奨で『搬迁(Relocate)』
での演技が評価され第31回中国金鶏賞を受賞。
彼女が演じる優しい佇まいの中に凛とした強さが見える中国人女性像は唯一無二であり、
今や中国映画界に欠かせない俳優である。

イン・ズー Ze Ying
中国の若手新人女優
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにてソーシャルポリシー、犯罪学の学位を取得。
2014年『Underground Fragrance』で女優デビュー。
2016年『The Taste of Rice Flower 』では主演を演じる。
同作では、監督/脚本のポンフェイと共に共同脚本家を務める。
また、北京青年映画祭にてベストアクト賞にノミネートされる。

秋山真太郎 Shintaro Akiyama
1982年生まれ。長崎県出身。2009年、劇団EXILEのメンバーとなり俳優活動を開始しする。これまで、
舞台「テニスの王子様」(08)、「THE 面接」(14)、ドラマ「ろくでなしBLUES」(11)、
「シュガーレス」(12)、映画「jam」(18)、「僕に、会いたかった」、など数多くの作品に出演。
さらに俳優だけでなく、映画「jam」(18)ではアソシエイトプロデューサー、「僕に、会いたかった」では
脚本を手掛け、2019年7月11日には自身初の小説「一年で、一番君に遠い日。」を発売。
多岐にわたり活躍の場を広げている。