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『なら国際映画祭2020』受賞結果

インターナショナルコンペティション

■最優秀賞「ゴールデンSHIKA賞」
『エンド オブ ラブ』 監督:ケレン・ベン・ラファエル

■観客賞
『ビクティム(たち)』 監督:レイラ・ジューチン・ジー

■俳優賞
『シヤボンガ』シヤボンガ・マジョーラ

■審査員特別賞
『栗の森のものがたり』 監督:グレゴル・ボジッチ

 

審査員総評

世界中の監督たちのデビュー作、そして2作目の映画を観て、ほんとうに嬉しいかぎりでした。それぞれの作品から、それぞれの声と音色、形を感じました。そしてそれらは新たなストーリーの語り方を投げかけています。発見したホームムビーの映像をまとめて魅力的な思い出にした映画や、階級区分のあるダージリンの山々へ行く映画を観る経験は、まさに冒険でした。

 

ゴールデンSHIKA賞 『エンド・オブ・ラブ』受賞理由

慎重に熟考した上で、審査員全員一致の判定はケレン・ベン・ラファエル監督の『エンド・オブ・ラブ』に最高賞を贈ります。とても素敵で、時々悲痛な思いをさせる作品ですが、従来的なラブストーリーの形態を壊す、無駄のない映像制作で、この二人の恋人を私達に紹介してくれました。

とてもユニークで感動させるこの作品を、より多くの観客に経験してもらういたいと思いました。私たちは今年のなら国際映画祭でこの宝石を見つけられて、本当に嬉しいです。

 

審査員特別賞『栗の森のものがたり』受賞理由

映像美がコンペ作品の中で最も美しい、スクリーンで見るよりもデジタルで見る方が色彩や構図が何倍もとても美しく非常に絵画的で美しい。紹介画像でも格別と感じた人が多いと思います。音楽、映像美が太鼓判。

この賞はなら国際映画祭として与えるという理由があり、非常に時間制を感じさせる作品が奈良にふさわしい、エグゼクティブディレクターである河瀨監督へのリスペクトを感じる作品、もしかしたらのオマージュではないかと感じるところを評価しました。

 

 

学生映画部門:NARA‐wave

■最優秀賞「ゴールデンKOJIKA賞」
『漂流』 監督:ボ・ハンチョン

■観客賞
『ROLL』 監督:村瀬大智

■俳優賞
『ラニー』 アイリーン・リュウ

 

審査員総評

全ての作品がテーブルの上にあがり、ひとつひとつ私達は話し合いを重ねました。それぞれの作品が比べようがないほど個性的であり、どの作品のアプローチも未来への道をみつけるための挑戦がなされ、語るべき事がたくさんありたしたが、最終的には未来に向けてという想いのなかから、審査員2人の意見のあった作品を選びました。

 

ゴールデンKOJIKA賞『漂流』受賞理由

ボン・ハンチョン監督の「Driftting」は実際は16分という時間の中で過去から現在、未来へと豊かなタイムラインと、強い心象風景を審査員に残しました。

主人公が抱える問題はよく知られながら、長らく解決きれていない難しい問題なのですが、この作品の存在感は、説明の仕切れない生命力を携えながら、たった今は問題を解決し切らずとも未来へ突き進んでいくという決意に思えました。(審査員:渡辺真起子)

ボー・ハンチョン監督は自分の性別に悩む青年のデリケートな事柄と中国政府の方針により女の子として育てられた彼の経緯をテーマに取り上げました。この葛藤を見事に映画的、かつ巧妙に表現することに成功しています。(審査員 マリアン・スロット)

 

俳優賞 アイリーン・リュウ 『ラニー』  受賞理由

「Less is more」「少ない方が豊かである」20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉です。フランス人のアリス・ガイ監督は映画史ではじめての女性であり、プロデューサーでした。1896年から1906年の間、世界でたった1人な女性の監督でした。彼女は、俳優たちに「自然体で」と良くいったことが知られています。アイリーン・リュウ。このとても若い役者は、ツァイ・ジエ・シーが監督するこの美しい映画「ラニー」の中で、自然な才能を光らせていました。

 

NIFFユース審査員プログラム

■長編部門:ベルリナーレ・スポットライト-ジェネレーション最優秀賞「クリスタルSHIKA賞」
『ロス・ロボス』 監督:サミュエル・キシ・レオポ

 

■短編部門:SSFF & ASIA セレクション最優秀賞「クリスタルSHIKA賞」
『サイレント・チャイルド』 監督:クリス・オーバートン