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なら国際映画祭のアワードに、今年より『フラハティ賞』が加わりました

なら国際映画祭とパートナーシップを結びましたフラハティ・フィルム・セミナー (http://flahertyseminar.org/) により、今年からなら国際映画祭に『フラハティ賞』が加わりました。

受賞者の発表は22日のクロージングセレモニーにて、他の賞と一緒に行います。

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フラハティ賞 (英:The Flaherty Talent Award)

2017年開催のフラハティ・フィルム・セミナーへの、なら国際映画祭フェローとしての参加権
(参加費や渡航費などはすべてなら国際映画祭が負担します)

対象者

  • なら国際映画祭に参加する、才能ある新人日本人作家
  • ノンフィクション映画製作における優れた新しい才能と、フラハティ・セミナーへ参加できる英語能力を持つ人材

ロバート・フラハティ・フィルム・セミナーについて

ロバート・フラハティ・フィルム・セミナーは、北米で最も長く継続している映画イベントで、ドキュメンタリー映画の元祖ともいわれるロバート・フラハティ氏(「極北の怪異」、「アラン」、「ルイジアナ物語」)の名を冠したセミナーです。
フラハティ氏が亡くなった後、妻のフランシスさんが1955年にバーモント州のフラハティ農場で、映像作家や批評家、キュレーター、ミュージシャンなど映画製作に熱心な人々を集めたことがきっかけで、このセミナーは始まりました。
その場では、当時まだ米国映画界では一般に知られていなかった監督たちの作品を上映していました。
その監督たちとは、ロバート・ドリュー、バーバラ・コップル、メイスルズ兄弟(アルバートとデイヴィッド)、D.A.ペネベイカー、ミーラー・ナーイル、サタジット・レイ、アニエス・ヴァルダ、フレデリック・ワイズマンなどです。
セミナーで初めて発表され議論された映画製作技術と取り組みが、その後に米国映画界の主流として確立されていきました。

現在行われる1週間のフラハティセミナーには170人もの映像作家やアーティスト、キュレーター、学者、学生など、動く映像の力を称える映画人達が集まります。
セミナーでは参加者が親密な環境で集中して学ぶことを体験し、映像作家と観客の間に昔からある壁は徐々に消え去っていきます。
また、一般の人も参加可能で、参加者はみんなで食事や交流、特別なイベント、1日最低3回の上映会とディスカッションを含めた日々の生活を共にします。
毎年新しいプログラム制作者が選ばれ、セミナーのテーマや目的を作ります。テーマは、地域的もしくは国全体の映画に関連するものから、様式上の特徴を考察するもの、または今、世界で起こっている事に対応したものまで幅広く選択されます。

セミナーで発表される作品は他に類を見ない芸術的に質の高いもので、ドキュメンタリーから物語、実験映画、インスタレーション、ニューメディアの作品まで含まれています。
プログラムのスケジュールは事前に明かされることはなく、観客は劇場で上映前の電気が消える直前に何が上映されるかを知らされます。そうすることで、全員が先入観無しに作品を見ることが出来るのです。
セミナーは年々発展していき、深い議論の場となったり、映像作家と共にメディアについて話し合う場ともなり、インディペンデントのメディア界で唯一無二のものとして確立されています。

フラハティ・セミナーにフェロー(特別研究員)として参加した人の感謝の声

フラハティ・フィルム・セミナーは人生で最も忘れられない、へとへとになった体験のひとつです。
7日間朝から晩までずっと、映画を見て、話し合い、映画製作について考えることに没頭していました。セミナー後は、世界と映画の関係性や創作上の決断に至るまでの道徳的や政治的な裏の意味について考える、全く新しい目的感覚を持つようになりました。

ケビン・リー

フラハティは私に大きな感銘を与えてくれました。それは、仕事上で節目の時にいた私には何が何でも必要なものでした。今でもフラハティが意味するものを考えていて、これからも細部まで掘り下げていくことを楽しみにしています。

ベス・バラバン

「セミナーを終えて、映像作家として別人になった気がします。表現媒体の垣根を探ることに新たな興味を感じています。内容と形式の両方で、もっと急進的な選択をし続ける活力をもらったと思います。」

マリア・ブラッカー