北川 晋司

なら国際映画祭には、2008年の秋から携わらせてもらっている。
事務局員の中で、一番、古株ということで、昨年の秋に理事に推薦された。

振り返るといろいろな経験をさせてもらっている。事業としても、それを運営する組織としても、まだまだ未熟なところばかりだ。ただ、だからこそ自分をはじめとする若いスタッフが他では携われないことに携わることができ、自分で考えたことをチャレンジでき、さまざまな業界のひとたちと出会い、交流することができた。そうした経験と出会いこそが、財産であり、それを与えてくれた自分たちより少し上の世代の方々に感謝したい。また、こうした経験を次に繋げるべく、より若い世代をこの『なら国際映画祭』を中心とする一連の事業に巻き込みたい。

世代を超えたひとたちの連携により少しずつ築き上げられて行くこの事業は、生き物であり、常に発展途上だ。その生き物を「生きつづけさせる」ということは、楽しいことばかりではなく、日々、大変なことの方が遥かに多い。ただ、山積する問題の中、ああだこうだと話し合ったり、振りかえるとバカげていることも真剣に考えたり、仲間と試行錯誤することに、独特の愉しさがある。日々、自分を取り巻く人と協働、交渉、折衝、創造して行くことで、自分もこの映画祭と共に成長し、もっと学びたい。

「映画祭」ということを切り口に、さまざまな活動に派生させて行ければと思う。映画祭開催期間中の1週間だけでなく、年間を通し、上映会・演劇・音楽会など、この土地で、日々、小さなゲリラ的な活動も実施されて行くようになり、やがてひとつのムーブメントが生まれ、それを取り巻くコミュニティーが創られて行く。そうなることは、この土地に生活するひとにとっても、外から訪問するひとにとっても、魅力的なことだと思う。

多種多様なひとが集い、さまざまな価値観を持ちより共有することが出来る。そんな土地こそ、豊かな文化を育んでいくと思う。

魅力的な映画祭をつくるには、まずそれを創り上げるひとたちが魅力的でなくてはならない。自分にもその課題を課したいし、より若い世代のひとたちにも同じ様に感じて参加して欲しい。

北川 晋司(なら国際映画祭 事務局員)


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